第二子を妊娠中に切迫早産になり、自宅安静中であまりにも暇なのでアマゾンプライムでいろんなドラマや映画を見ていました。韓国ドラマもいくつか見て、その中でおもしろかった「運命のように君を愛してる」を紹介します。
評価
脚本 :★★★★☆
胸キュン度:★★★☆☆
泣ける度 :★★★★★
オススメ度:★★★★★
ラブコメですが、キュンキュンというより切なくて泣けます。物語の質も高く、スピード感ある展開で飽きさせません。20話という長さもちょうどよかったと思います。
台湾ドラマ「ハートに命中!100%」のリメイクですが、台湾ドラマの方は39話あるようです。
意外にハマった“運君愛(ウンノルサ、운널사)”
気楽に見られるラブコメ
第二子妊娠中にあまりにも暇なので、アマゾンプライムで見られるドラマや映画を見て時間を潰していました。
コウノドリを見てしまって妊娠中に見るものではないなと思いました。日本のドラマや映画だと、つい感情移入しがちであまり気楽に見られませんでした。アメリカのものは、英語の勉強をつい始めてしまうので、それはそれで気楽に見れませんでした。
気楽に見られる質の高いラブコメは韓流ドラマか台湾ドラマなのですが、アマゾンプライムには台湾や中国のドラマがなく、韓流ドラマをよく見ていました。
飽きない展開とチャン・ヒョクの演技にハマる
何の前情報もなしにどうせただのラブコメだろうと見始めたのですが、けっこうおもしろくてドハマリしてしまいました。韓流ドラマにありがちな御曹司との恋を描いているのですが、ジェットコースターのように目まぐるしく物事が起こるので、見ていて飽きないです。
初めは御曹司のイ・ゴンを演じているチャン・ヒョクの変な笑い声や髪型に違和感があったのですが、最後まで見るとイ・ゴンがかわいくてしょうがなくてチャン・ヒョクの演技は上手だなあと感心しました。
キム・ミヨンを演じるチャン・ナラは当時34歳ということですが、童顔でかわいらしくて、20代にしか見えません。
ネタバレなしのあらすじ
あらすじをネタバレしないように簡単に書きます。
主人公はミヨンとゴン
法律事務所の契約社員として働くキム・ミヨンは他人の頼みを断れない性格で、自分のことを必要だけども簡単に捨てられるポストイット(付箋)のようなものだと卑下しています。
大企業の社長で御曹司のイ・ゴンは短命の家系のため親族に早い結婚を促されており、6年間付き合っている彼女にプロポーズしようとマカオへ行きます。
マカオ旅行でミヨンは妊娠
ミヨンもたまたま抽選で当たったマカオ旅行へ行き、そこで二人は出会い、媚薬を口にしてしまうのとホテルの部屋を間違えたため、一夜を過ごしてしまいます。その後ミヨンの妊娠が分かり、仕方なく二人は結婚することになります。
初めは嫌がっていたゴンですが、ミヨンの優しい人柄に触れ、徐々にミヨンへの気持ちを募らせていきます。しかし、色々なことが起こり、二人は…。
ドラマで知った韓国の文化
慶尚南道の名物と方言
キム・ミヨンの出身地はヨウル島というところですが、実際はその名前の島は存在しません。ロケは慶尚南道(韓国の南東部で釜山の西)の南にある昆里島で行われました。ミヨンの母のお店のイワシの包み飯は慶尚南道の名物です。また、ミヨンが大好きなエイの刺身は全羅南道(韓国の南西部)の名物です。なので、韓国南部にある島が舞台なのでしょう。
イワシの包み飯やエイの刺身、魚の目玉入りラーメンは食べてみたいと思いました。エイの刺身はホンオフェといってかなり臭いらしいですが。ゴンも鼻にティッシュを詰めてよくこんなものが食べられるなという表情でしたね。
「ハモハモ〜」という言葉は何かなと思っていたのですが、それも慶尚南道や釜山などの方言で、「もちろん」という意味なのですね。そして、ミヨンの親族は方言で話しているようです。韓国語がある程度分かる人には分かるようですが、私には違いが分かりませんでした。
オシドリの木彫りの置き物
結婚に際してミヨンが母からオシドリの木彫りの置き物をもらうシーンがありました。
オシドリのオスとメスのつがいになっている木彫りの置き物を婚礼の贈り物として贈る風習が韓国にはあるそうです。オシドリは一度つがいになると一生添い遂げると言われているからだそうです。
日本でもオシドリ夫婦と言いますね。ちなみに韓国語ではオシドリ夫婦とは言わずにインコ夫婦(インコプブ)というそうです。
「無条件」という演歌
ゴンがミヨンの母たちと歌う歌がノリノリでよかったですね。チャン・ヒョクはこういったひょうきんな演技がとても上手です。
韓国のトロットと呼ばれる演歌で、パク・サンチョルの「無条件(ムジョコン)」という歌でした。「チャチャラ チャラチャラ チャンチャンチャン ムジョコン ムジョコニヤ〜」とノリノリで一部歌詞をヨウル島と替えて歌っていました。日本でも川崎麻世がカバーしているんですね。
god「お母さんへ」のラップ
他にゴンの歌う歌で気になったのが、チャンイン化学のCM撮影で俳優にダメ出しするときのラップです。
このCMの俳優役はgod(韓国男性アイドルグループ)のパク・ジュンヒョンなんですね。godの「お母さんへ」という歌のPVでチャン・ヒョクが出演しているんです。それで、チャン・ヒョク演じるゴンがgod「お母さんへ」のラップを歌っているんですね。チャン・ヒョク自身もTJという名でラップ歌手として活動していたそうです。
「お母さんへ」の歌詞の中に、“幼い頃から貧しくてインスタント麺ばかり食べていた、美味しいものが食べたいと母に言ったらジャジャンミョン(ジャージャー麺)を頼んでくれた”という内容があります。他の韓国ドラマではよくジャージャー麺の配達(ペダル)を頼んでいるのを見ます。配達といえばジャージャー麺ですね。日本のジャージャー麺とは違い、黒くて甘い味付けです。
米麦ゲーム(サルボリゲーム)
韓国ではアダルトな描写に厳しいので、一夜を共にするシーンは餅つきや米麦ゲームで描かれていました。
米麦ゲームという子供の遊びがあるんですね。手を握り合うゲームのようです。
引っ越し祝いに花札
ゴンとミヨンが引っ越したときに、新居にミヨンの親族が来て花札を朝までするシーンがありました。
韓国では引っ越し祝いとして花札を朝まで行うようです。花札のことはゴトリ(五鳥、GO STOP)と言っています。意外に花札に強いミヨンでした。
韓国では胎名を付けるのが当たり前
ミヨンとゴンの子の胎名(テミョン)はケットン(犬の糞)でしたね。ケッは犬で、トンはウンチの意味です。胎教教室で胎名を付けた人と聞くと皆手を挙げていました。
それくらい韓国では胎名を付けるのが普通らしいです。胎教も盛んらしく、ドラマと同じく実際の胎教教室でも肌着を手縫いしたりするみたいです。
芸能人の胎名が話題になることも多く、ペ・ヨンジュンの子供の胎名は「ポクトンイ」(貴い人)だそうです。人気の胎名はサランイ(愛)、トゥントゥニ(丈夫)、ヘンボギ(幸せ)などです。
ロケ地
メセナポリス
メセナポリスは弘大(ホンデ)駅の隣の合井(ハプチョン)駅に直結しているショッピングモールです。ミヨンとゴンが初めて出会うシーンに使われました。ミヨンが飴玉(サタン)を、ゴンが指輪(パンジ)を買い、二人はぶつかって指輪を探し回り犬に追いかけられます。曲線を描く建物の間の、色とりどりの傘の下を駆け抜ける二人がきれいに描かれていました。
2012年に建てられたばかりで、六本木ヒルズなどを手掛ける有名デザイナーによるものだそうです。上の階は一億以上する高層マンションで、芸能人なども住んでるとか。
Green Cloud Coffee
ミヨンがゴンと会って妊娠したことを話そうとしますが結局話せなかったときに使われるカフェです。ミヨンが「パパ」と子供の声が聞こえる妄想をします。
このカフェは弘大(ホンデ)にあり、学生たちで賑わっています。「1%の奇跡」などのドラマでも使われています。
トータル美術館
高級住宅街として知られる平倉洞(ピョンチャンドン)にあるトータル美術館はダニエルのカフェとして使われました。
この辺りはギャラリー通りと呼ばれ、美術館がいくつもあります。また、ゴンの家も平倉洞にあります(住所:서울특별시 종로구 평창11길 51)。
麻浦大橋
チャリティー会場から抜け出し、ゴンとミヨンがダンスするシーンは、麻浦大橋の下で撮影されています。
麻浦大橋はよくロケ地として使われ、「アイリス」や「シティハンター」でも出てきました。
ユクシムウォンのカロスキル店
ユクシムウォンという韓国の女流画家の絵がミヨン(エリー・キム)の絵としてドラマでは使われています。
ユクシムウォンの店がカロスキルにあり、ドラマではミヨンのアトリエになっていました。
MBC新社屋
ミヨンとゴンが同じ誕生日を祝うために待ち合わせをした場所です。事故の横断歩道も前にあります。
ネタバレありのあらすじ
ネタバレありで簡単なあらすじを書きます。ネタバレが嫌な人はここから読まないでください。
二人は結婚して一緒に生活するうちに想い合っていましたが、ミヨンは交通事故で流産し、ゴンは遺伝病発病でミヨンに迷惑をかけるのを恐れ、二人は離婚します。
ミヨンはフランスに絵を習いに行くことになり、ゴンは空港に向かいます。しかしゴンはミヨンに会えずじまいで時は流れて3年が経過します。
3年後に人気女流画家としてミヨンがフランスから戻り、韓国で個展を開きます。ゴンはミヨンの個展を見に行ったり、ゴンの会社の商品デザインをミヨンと契約したりして、ミヨンと会う度に更に惹かれていきます。
しかし遺伝病のことがあるため、ゴンはわざとミヨンに冷たく接します。ミヨンはそんなゴンを嫌うのですが、ゴンが遺伝病を発病してそのために冷たく接しているということを知り、そんなゴンを受け入れ、愛していると伝えます。
ミヨンの母はゴンの遺伝病のため結婚を反対していましたが、二人はあれやこれやと説得して結婚式を挙げ、新婚旅行に行きます。そしてまた一夜で授かり、双子を産み、仲良く暮らします。
ネタバレありの感想
飽きない展開にハマる
ドラマを見始めた頃は、このままお腹の子供を出産して二人は仲良く暮らすという内容のラブコメなのかなと思っていました。しかし、色々ありましたね。それがこのドラマの面白いところだと思いました。このまま出産して仲良くなるってのじゃひねりがないですもんね。
ケットンが亡くなってしまう(流産してしまう)シーンでは涙が止まりませんでした。あれだけケットンのことを思っている二人ですから、その後もケットンが忘れられずにケットンの命日に事故の場所に向かう姿はやはり心に来るものがありました。当時私が妊娠中ということもあって、ケットンを思うミヨンとゴンの気持ちが重なりました。
ミヨンがフランスに行くことになって、ゴンが空港に向かうシーンも、ゴンがミヨンを引き止めるのかと思いましたが、結局そのままミヨンはフランスに行ってしまいました。あれ、どうなるのと思っていたら、3年後の表記と共にちょっとおしゃれになったミヨンが登場しました。
丸眼鏡の自信ないミヨンより、私はフランス帰国後のおしゃれでしっかりしているミヨンが好きです。優しいだけでなくしっかり者で女流画家として仕事に没頭するミヨンはより魅力的な女性になっていました。ゴンもそんなミヨンに惹かれないわけなく。元々ゴンはセラのような男勝りな女性が好きだったわけですから、強くなったミヨンにノックアウトされてしまうのは頷けます。
チャン・ヒョクの演技がよかった
ゴンの髪型は初めは花輪くんで、中盤で永野のように真ん中分けの変な髪型になり、最後は短髪でかっこよくなります。花輪くんと永野の髪型は変ですし、着ているスーツも青色の独特のスーツで、笑い声も変だし、初めはゴンが気持ち悪かったのですが、徐々に愛着を感じるようになり、最後にはゴンがとてもかわいいと思うようになりました。
ゴンを演じるチャン・ヒョクの演技力はすごいです。クールだったりひょうきんだったりかわいかったりと表情をくるくる変えます。特に記者会見のキスシーンで、ミヨンがゴンにキスしたときのゴンの表情は本当に上手だと思いました。戸惑いながらも嬉しさを抑えることができないゴンを表していると思います。
一番好きなシーン
一番好きなシーンはこの記者会見のキスシーンです。記者やカメラの前で堂々とゴンに愛してると言ってキスするシーンです。堂々としているミヨンと戸惑うゴンの対比がいいです。
ゴンの表情がすごく良くて、このシーンは何度も見返してしまいました。ミヨンも以前のミヨンとは違い、顔に自信が溢れ、服も水色と白のはっきりしたスーツで、かっこよさが表れています。
ハンチントン病とは?
ところで、ゴンはハンチントン病(ハンチントン舞踏病)の家系という設定になっています。舞踏病という名の通り、手足が勝手に動いてしまう症状が出る疾患です。常染色体優性遺伝なので、子供に引き継がれる確率は50%(1/2)です。症状として記憶喪失があるとドラマの中では描かれていましたが、ああいった記憶喪失というより認知機能が低下するという症状が出ます。残念ながら有効な治療薬はありません。
ゴンはハンチントン病に発病したとされていますが、症状は記憶喪失を一回起こしたのみで、その後6年経っても症状の出現はなさそうです。ということは、記憶喪失はハンチントン病によるものよりもストレスからと考えるのが妥当でしょう。いつかハンチントン病を発病する可能性は1/2の確率でありますが、ハンチントン病の遺伝子を持っていない可能性も1/2の確率であります。ゴンがハンチントン病だったら、ミヨンとの子供もハンチントン病を発症する可能性が出てきますし、ハンチントン病ではないことを祈ります。
ハッピーエンドでほっこり
気晴らしに何気なく見たドラマではありますが、韓国の文化や韓国語も学べ、最後はハッピーエンドでほっこりしますし、見てよかったと思いました。オススメドラマです。
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