妊娠中にいろいろ疑問に思ったことを調べてまとめた。妊娠時に知っておいた方がよかったと思う。
流産率
妊娠検査薬
早ければ3週間目で陽性になることがあるが、陰性の場合も数時間置いておくとよい。尿が薄まってhcgが濃くなり陽性と出ることがある。確実に判定するには4週間以降が望ましい。妊娠検査薬の無駄遣いになる。
妊娠の報告
妊娠3ヶ月以内では流産する確率が約15%あるため、4ヶ月ぐらいでの報告がいい。
流産率
妊娠6週では10〜15%で流産する可能性がある。11〜12週では1〜2%と急激に低下する。15週以降の流産の確率はわずか0.6%である。
つわり
つわりの原因
子宮の中で胎盤ができるまで卵巣からhcgというホルモンが分泌される。このホルモンは妊娠を維持するためのもので、胎盤ができる頃には分泌が減ってくる。胎盤がhcgの代わりに妊娠を維持する。胎盤が完成するのは妊娠5ヶ月(16週)頃で、その頃につわりがおさまってくる。
つわりの頻度
つわりは80%の妊婦に起こる。つわりを感じ始めるのは妊娠6週頃で、妊娠14週頃には症状は軽くなる。重度のつわりは約5%で妊娠悪阻として入院が必要になることがある。
つわりの薬
元の体重の10%くらい減少すると重症で妊娠悪阻と診断され、点滴が必要となる。ビタミンB6と生姜エキスを取っておくとつわりが軽くなるという研究結果がある。
処方薬として、昔はサリドマイドが使われていたが催奇形性のため市場から撤収された。アメリカではベンディクティンという薬も使われていて、現在はディクレジスという名前で売られているが、日本では入手できない。ディクレジスという薬はドキシラミンとビタミンB6の合剤なので、ユニソム(ドキシラミン)という睡眠薬とビタミンB6を内服することでも代用できるが、日本ではドキシラミンは流通していない。
日本では一般的に妊娠悪阻に対しては嘔気止めとしてプリンペラン(メトクロプラミド)を処方される。または抗ヒスタミン剤のドラマミン(ジメンヒドリナート)も処方され、二剤を併用することもある。
妊娠初期の症状
頻尿
腎機能の活性化のため普段よりも尿が排出されやすくなり、尿量も増える。黄体ホルモンの分泌で膀胱の筋肉が緩むことも頻尿の原因となる。
便秘
黄体ホルモンによって腸の蠕動運動がゆっくりになる。
倦怠感
原因は不明だが、だるさや眠気を感じる妊婦は多い。
腰痛
女性ホルモンのリラキシンにより関節が緩められ、腰への負担が大きくなる。
頭痛
黄体ホルモンが分泌されるため、血管が拡張され、頭痛を引き起こす。
出生前診断
初期の胎児超音波スクリーニング
NT、鼻骨、三尖弁、静脈管などを超音波検査で見る。NTとは胎児後頚部浮腫と呼ばれる首の後ろのリンパ液が溜まっている部分が黒く透けて見えるもの。手足にリンパ管ができていくと薄くなるため、11〜13週で頭臀長が45〜84mmの頃の時期の厚さだけが意味をなす。
NTが比較的厚い3mmでダウン症の確率は3、4%、非常に分厚い6mmでダウン症の確率は70%。鼻骨が白く見えてきているか、三尖弁が逆流してないか、静脈管の波形はどうかも一緒に見て、ダウン症の確率を計算する。
NIPT
母体血中の胎児由来のDNAを測定してダウン症、18トリソミー、13トリソミーを高精度で検出する。妊娠初期に受けられ、母体の血を採るだけなので、超音波検査のように測る人によって技術の差がない。クアトロテストや初期スクリーニングのように偽陽性率が高くない。しかし検査費用が高く、染色体異常以外の情報は得られない。
血清マーカー検査(クアトロテスト、トリプルマーカーテスト)
15〜18週に血液検査を行う。ダウン症、18トリソミー、神経管閉鎖不全が分かる。年齢も計算に加わっているため、同じ測定値でも年齢が高いほど高い確率が出る。境界値1/295より高かった場合は羊水検査で確定診断を受けるかどうか選ぶ。
羊水検査、絨毛検査
超音波検査や血清マーカー検査、NIPTなどの検査で染色体異常の可能性が高い場合に、羊水検査や絨毛検査で確定する。超音波検査やNIPTなどの検査より侵襲性が高く、流産の可能性が低いが軽度ある。
妊娠中の運動
妊娠中にしていい運動
有酸素運動はしていい。ウォーキング、ヨガ、水泳など。運動することで体重増加を抑えられる。ヨガは特に妊娠中の不調が抑えられる、陣痛の痛みが軽くなる、お産の処方時間が短くなるなどの研究結果が出ている。
妊娠中にしていけない運動
無酸素運動の長距離走、筋トレ、登山などはやめておいた方がいい。胎児への血流が減ったという論文がある。また、転倒などによる胎盤剥離のリスクがあるので、転倒リスクのあるような激しい運動は控えるべき。
骨盤底筋運動
骨盤底筋を鍛えることは、妊娠後期や出産後の尿失禁を防ぐのに効果的である。また、娩出時間も短くなるというデータもある。
妊娠線
妊娠線の原因
急激に皮膚が伸びることでできる。表皮は伸びるが、真皮や皮下組織は伸びることができずに断裂し、妊娠線となる。体重の増加、加齢により、弾性が失われる。急激な体重増加、経産婦、高齢出産、痩せている人は妊娠線ができやすい。
妊娠線の予防
保湿することで予防できる。おなかが大きくなる前から保湿することが重要。妊娠線ができてしまったらレーザー治療も可能だが、費用もかかり、完全に消えるわけではない。
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